ゴードン・メソッド(親業)とは


ゴードン・メソッドとは、米国の臨床心理学者 トマス・ゴードン博士によって始められた、コミュニケーショントレーニングのプログラムです。臨床心理学、発達心理学、教育学などの研究成果を基礎として作られました。

親子関係を豊かに、あたたかく健全なものにし、子どもの健やかな成長を実現するため、1962年に親たちに一つの方向性を示したのが「親業P.E.T」です。「一人の人間を産み、養い、社会的に一人前になるまで育てる」ことは、立派に独立した一つの仕事であり、人間としてこれ以上、能力と努力を要求される仕事はほかにありません。多くの親は自分の親から伝えられた経験とさまざまな情報・知識に揺れながら試行錯誤を繰り返しているのが現状です。「親業訓練」は世界中の親たちの大きな力になっています。

 また、このメソッドは、親子関係だけでなく、あらゆる人間関係に効果的なことから、現在、「自己実現のための人間関係」「教師学」「看護ふれあい学」「ユース・コミュニケーション」と広がり続けています。

トマス・ゴードン博士(1918~2002)

1999年に、アメリカ心理学財団から「心理学を公共の利益に役立てることに長年貢献した人」として、ゴールドメダリスト受賞という栄誉を得ました。その表彰状には、次のように記されています。

「トマス・ゴードンは、親密的で永続的な人間関係を築き維持していくための1つのモデルを創り上げた。人間関係についての抽象的な概念を、具体的な行動の技法(スキル)という形に変え、それを一般大衆の手の届くものとしたことによって、彼はまさに”心理学を人々に贈った”と言える。」