教室に通うお子さんが、「お家で練習をしないので困っている」と訴えるお母さんは多かれ少なかれいらっしゃると思います。
その時に、お母さんは一体お家でどういう言葉かけをしているのか想像してみましょう。
お母さんのセリフ
一見、子どもたちのことを思って親として言っている言葉かけなのですが、問題をかかえている子どもが口をつぐんでしまったり、反抗してコミュニケーションが取れなくなってしまう危険性を持った言葉かけなのです。
「助けの試み」だったはずなのに、反対の作用をして、子どもがコミュニケーションを求めなくなり子どもを助けることを実は妨げる障害となってしまう可能性があります。
上の言葉かけが実際にどういう作用を起こしているのかは次のようになります。
子どもは「ピアノの練習をしたくない」という思いを込めたボールを親に投げたのですが、親はそのボールを投げ返さずに自分の投げたいボールを投げ返しているのです。
子どもの言いたいことや気持ちを受け止めず、親は「自分が言いたいこと」=「意見」を投げ返したのです。
子どもは野球をやろうと思ったのに、親はドッジボールを顔面目掛けて投げ返したようなものです。
実は相手が悩んだり、現状に否定的な感情を持っている時に、この12の対応をすると、相手は反発したり、黙ってしまったり、自分はダメな子どもだと自己否定をしたりします。
その挙句、「この親は自分の気持ちは言っても通じない」「話すだけ無駄だ」とコミュニケーションが成立しなくなってしまいます。
もしかしたら、困った行動を起こす生徒さんについ先生が言ってしまっている言葉かもしれません。
聞き手がもう少し積極的な聞き方で対応すると、話しては自分の悩みや問題に焦点を当てやすくなります。
「ピアノの練習したくないのね」 → (くり返す)
「ピアノの練習がイヤなのね」 → (言いかえる)
「ピアノの練習がつまらないのね」 → (気持ちをくむ)
話し手の言ったことを「くり返す」「言いかえる」「気持ちをくむ」の3つの聞き方で
「私はあなたの言ったことをこのように理解していますよ。この理解で正しいですか?」と確認を取りながら聞く方法です。
これを、「能動的な聞き方」と言います。